非接触スポットクリーナ

精密機器や光学機器の製造現場では、製品の性能や信頼性を確保するために異物対策に力を入れています。光学素子、高機能フィルム、電子基板等の組立工程や検査工程では、作業者が製品や部品に異物が付着していないかを入念にチェックし、そこで異物付着が確認された場合には、これを速やかに除去するように徹底されています。

　局所に付着した異物をピンポイントで除去する方法は、接触式と非接触式の2つに分類できます。接触式の異物除去では、作業者がピンセットで直接異物を掴んで除去する方法、または粘性のある綿棒等で異物を吸着して除去する方法があります。これらは特別な設備を必要としないため高い汎用性を有しますが、製品の精緻化に伴い除去しなければならない異物のサイズも年々小さくなっていることから、手作業で対応するのが困難なケースが増えてきています。接触することで製品にダメージを与えてしまう場合も少なからずあり、その場合は異物を非接触で除去しなければなりません。

　非接触で局所的に異物を除去する方法としては、エアブロワーを用いて吹き飛ばす方法や、細いノズルで真空吸引する方法があります。ただし、エアで異物を吹くだけでは、払った異物が環境を汚してしまうためクリーンな作業環境ではエアブローによる異物除去は好ましくありません。また、静電気で強固に吸着された微細な異物に対しては、単純にエアを吹いただけでは除去することができません。一方で、真空吸引する場合も微細な異物に対しては同様に除去能力が著しく低下してしまうため効果的な異物除去は不可能です。それならば圧力を上げて強力に吸引しようとすると、ワークを吸いつけて損傷させてしまう恐れがあります。

　以上のように、従来はワークから微細な付着異物を除去するための理想的な手段がありませんでした。この状況を打破するために開発されたのが、TRINCの「非接触スポットクリーナ」です。非接触で狙った箇所から微細な付着異物を瞬間的に除去し、かつその場で速やかに回収することができる新原理のスポットクリーナです。

　TRINCの「非接触スポットクリーナ」は、作業者が手に持って使用するのに最適なペン型形状を有しています。非常にコンパクト・軽量で手になじむハンディクリーナであり、付着異物に狙いを定めて確実に除去することが可能です。

　新原理の独自エア制御構造を採用することで、効率的な異物除去と異物回収を実現します。特筆すべきは、高い異物回収能力を有しながら、ワークを吸いつけることがないので脆弱なワークであっても安心して強力にクリーニングできる点です。加えて、TRINCの強力イオナイザー（除電器）で狙ったスポットをイオンで満たしながら異物を除去するため、静電気で強固に付着した異物に高い除去効果を発揮します。

従来手法では除去できなかった微細な異物を、部品に触れることなく強力に取り除きます。さらに、取り除いた異物は全て即時に回収することができるため環境を汚して別の異物問題を引き起こす心配がありません。つまり、従来不可能であった理想的な対策が可能になり問題を解決に導きます。