TRINC METHODとは
TRINCが培ってきた技術・経験を基盤に構築された静電気・異物対策の新しいスタンダードです。
今回、このTRINC METHODを書籍としてまとめることができました。
全部で4巻から構成されており、各巻の内容は以下の通りです。
異物不良を劇的に減らしたい方、従来の対策では効果が得られないとあきらめている方は是非ご一読ください。
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Vol. I 新しい概念
TRINC METHODの基本的な考え方を図をふんだんに活用しわかりやすく解説します。
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Vol. II 新しい手段
TRINC METHODを実現するための新しい静電気・異物対策装置を紹介します。
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Vol. III 従来の間違い常識集
従来の方法でなぜ不良が減らなかったのかが明らかになります。
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Vol. IV 実践効果実績集
TRINC METHODによって劇的な不良改善に成功したお客様の喜びの声を、業種ごとに紹介します。
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TRINC METHODの記事が新聞に掲載されました
【2017.07.31】日刊工業新聞『TRINC METHOD(全集)』 製造現場の異物対策伝えたい
―約2年半にわたる執筆で「TRINC METHOD(全集)」を発刊しました。全4巻を書き終えた感想を。
「達成感と一抹の寂しさがある。そして正しい異物対策を伝えたいという使命感は一層強まった。
1999年に偶然にも静電気・異物対策に携わることになった。
当時、めにしたモノづくりの現場は品質不良や歩留まりの悪さに悪戦苦戦し、混乱を極めていた。
私は一技術者として常識にとらわれず、減点発想でゼロから考え、新しい考え方や技術を提案してきた。
著者は静電気と向き合った15年以上の経験と知見の集大成だ」
―最終巻は「実践効果実績集」として実際の成果や顧客の声を紹介しています。
「当社の手法が実際にモノづくりの現場で効果を発揮していることの証だ。
大手企業に認められた喜びや顧客に喜ばれた時の感謝がよみがえり編集中に思わず目頭が熱くなった」
―書籍の活用法は。
「当初は販売ツールにしたいとも考えたが、執筆しているうちに考え方が変わった。
今は技術や製品を大切に育てたい気持ちが強い。だから書籍も申込制にした。
製品不良や異物問題で悩み、真剣に対策を考えてる人や企業に活用してもらいたい」
―全4巻の構成をどう考えましたか。
「起承転結だ。第1巻は『新らしい概念』。
ベンチャーとして企業した当初はなかなか新しい概念、技術を理解してもらえなかった。
執筆中に当時の”こんちくしょう精神”がよみがえった。
表紙の青色はきれいな空気、クリーンな空をイメージした。
第2巻『新しい手法』は執筆に最も苦労し、第3巻『従来の間違い常識集』と発刊の順序が入れ替わった。
最終巻は実例集にすると決めていた」
―第2巻に苦労した理由は。
「業界別に静電気対策や異物に効果的な除電器を提案する実用的な書にしたかった。
単なる自社製品の宣伝や製品紹介、技術解説の羅列にならないように心がけた。
写真や絵図をふんだんに使い、製品の誕生のエピソードなどを盛り込んで読み物風に仕上げている。
第2巻の表紙はみずみずしい新緑、第3巻は落葉をイメージした。
第4巻は表彰状などによく使われるえんじ色で、感謝の意を表した。」
―書籍はベンチャーとして成功した自身の足跡でもあります。
「無手勝流がはびこっていた製造現場の異物対策をなんとかしたい一心で発起した。
最初は製品を背負って顧客を訪問し、次にセミナーで正しい異物対策について説いてまわった。
その中で、新しい異物対策をまとめたガイドラインがほしいという顧客の声に背を押され全集を執筆した」
―今後、高柳社長の技能や経営哲学をどう伝えていきますか。
「困りごとを解決する技術があれば、世の中が会社を生かしてくれると自信がついた。
当社の手法を業界のデファクトスタンダードにするのが夢。
国内ではだいぶ浸透した手応えがあるが、海外はまだまだ。近く全集の英語版も発刊したい。
今後、数年をかけ私が積み上げたものを後継者に引き継いでいく。
浜松市内に建設予定の新研究所は、静電気の原理や技術を伝える聖地としていきたい」
TRINC METHOD Vol. I 新しい概念
本書は、TRINCの考え方をご理解いただくための最適な書籍です。
図をふんだんに活用することで、非常に読みやすい構成になっております。
まずは本書をご覧いただいた上で、どうぞ続くVol. II 以降へお進みください。
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目次
- 1. 脱『従来型 除電器』
- 1) 従来型 ファンブロー除電器
- 2) 従来型 エアブロー除電器
- 3) 従来型 自動メンテナンス除電器?
- [コラム1]
- 発塵が少ない除電器が登場した!
- a. 無風除電器
- b. 空間除電器
- c. 無漏電除電器
- d. バキュームクリーナ付除電器
- 4) 従来型 防爆認定除電器
- 5) 従来型 オゾン腐食除電器
- 6) 従来型 センサー除電器
- 7) 従来型 パルス型除電器
- 2. 脱『従来型 静電気対策(ESD)』
- 1) 従来型 除電器(イオナイザ)
- 2) リストストラップ
- 3) 導電靴
- 4) 導電床
- 5) タッチ式アース
- 6) タッチ式導電チェッカー
- 4. 脱『従来型 クリーン対策』
- 1) 従来型 クリーンベンチ
- [コラム2]
- 線路はつづくよ、どこまでも。
ほこりはどこまでも舞う
- 2) 従来型 クリーンベンチ
- 3) 従来型 クリーンベンチ
- 4) 無塵衣
- 5) 空気清浄機
- [コラム3]
- 空気清浄機!? 空気が清浄な機械!?
- 6) 従来型 除塵BOX、除塵機
- 7) 従来型 クリーン保管庫
- 8) 除電器付 FFU
- 5. 脱『従来型 クリーナ』
- 1) 従来型 フィルムクリーナ
- 2) 従来型 パネルクリーナ
- 3) 金属箔クリーナ
- 4) 不織布クリーナ
- 5) 立体物クリーナ
- 6) 従来型 粘着ローラ
- 7) 掃除機
- 8) エアブロー
- [コラム4]
- 吹いてもダメなら吸ってみな
それでもダメなら剥いでみな
- 6. 脱『従来型 張り付き防止対策』
- 1) 紙、フィルム、シートの2枚送り防止
- 2) 連続紙やフィルムの蛇行防止
- 3) 紙やフィルムの貼り付き防止
- 4) 粉体の付着防止
- 5) 粉体(ペレットなど)の付着防止
- 6) パーツフィーダーのパーツ張り付き防止
- 11. 脱『従来型 物流(マテハン)の静電気・異物対策』
- 1) コンベアへのワーク張り付き防止対策
- 2) 資材の工場内搬入時汚染対策
- 3) 開梱時汚染対策
- 4) 開封・開袋時汚染対策
- 5) 空気清浄機
- 第2章 新しい手段
- TRINC METHOD VOL.II 参照
- 第3章 従来の間違い常識集
- TRINC METHOD VOL.III 参照
以下、TRINC METHOD Vol. I より一部抜粋して紹介します。
序章 時代は変わった
静電気屋とホコリ屋
従来、静電気対策と異物対策は、まったく別の次元の話しであった。「静電気問題は静電気
屋に聞け、異物問題はフィルタ屋に聞け」というのが世間通年であった。しかし、静電気対策と異物対策は、実は切ってもきれない関係にある。
異物問題を考えていない静電気対策は用をなさないし、逆に、静電気問題を考えていない異物問題も用をなさない。異物が静電気によって
吸着していることを考えれば自明の理だ。
第3の静電気×ホコリ屋が登場
今まで静電気対策と異物対策をまとめて取り上げる事業者は存在しなかった。
TRINCは1998年の段階でこのことに気づき、以来、新しい手法と装置を開発しつつ、新しい考え方の啓蒙活動に取り組んできた。
液晶やタッチパネル、デジカメが普及して世界中の工場が大混乱
ブラウン管の時代はよかった。
真空管は静電気に強いし、真空管内部のホコリ問題もなかった。
近年、タッチパネル、デジタルカメラなどが登場した。
これえは、大気中で作り、大気中で使うため、大気に含まれるホコリ問題が顕著化した。
工場は大混乱の状態になり理想空案で考える設計者と実際にモノづくりをする工場との間の大きな不信のギャップが発生したのである。
すたれた静電気対策-半導体が強くなった
2000年頃までは、触れると静電気によってすぐに壊れた半導体もさすがに設計ルールの進歩などにより、最近は壊れにくくなった。
半導体設計者にも余裕が出たのであろう、静電気対策やノイズ(EMI、EMC)対策なども、「元から絶たなければダメだ」とばかりに強くてきれいな”石”が作られるようになった。
標準規格ESDは無用に
そうなると、静電気の国際規格であるESDは出番を失った。
弱い半導体の出現とともに作られた規格は50年の時を経て、今、その役割を終えようとしている。
すでに”お呪い”としての価値しかなくなったのである。
そして今、異物問題がクローズアップされて”お呪い”から、逆に”災い”にさえなっている。
これにしたがって対策を実施すると、異物不良が増えてしまうという厄介な規格である。
しかも、このESDを拠り所に生活しているESDコーディネーターと言われる人たちは、自らの職をかけて工場に対して静電気管理をさらに厳しくしようとしている。
工場では理屈の分からない規格を強いられるため、憤慨やるかたない。振り返れば、ESD規格を金科玉条のものとして崇めてきた半導体業界が、結果として異物対策に最も遅れてしまった。
活況の異物対策
これにたいし異物対策は活況を呈している。取り扱う電子部品は小型化され200分の1にまでなった。
チップ部品やデジタルカメラのセンサー(撮像素子)などがその代表である。
そのため、今までは問題にならなかったご極小の異物も無視できなくなった。
機構部品も著しく精緻になり、精度上、外観上、わずかな微細異物であっても、厳しく追及されるようになった。
「毎日ホコリとの戦いである」という証言が実態を如実に物語っている。
新しいクリーン対策が必要
従来の常識では、この厳しい異物対策に対応できない。
異物は静電気に吸着されることを考えれば、静電気対策と異物対策を同時に考えなければ意味がないのである。
静電気にもめげず、異物にもめげずに総合的なクリーン対策をすることが必要である。
従来、クリーンとは「異物がないこと」を指したが、本来は「静電気と異物の両方もないこと」が本当のクリーンなのである。
この新しい観念に建ったクリーン対策が求められている。
桁違いの効果
TRINC METHODは「静電気も一つの異物である」という新しい考えかたで対策手法を考え、新しい装置を開発してきた。
すでに15年の歳月が経ったが、その間、170回におよぶセミナーで、7000人以上の方々に訴え、多くのコンサルテーションを実施してきた。
その結果、多くの世親企業から地響き的な共感をいただき、大きな期待に背中を押される形で前進してきた。
新しい静電気・異物対策を導入してきた企業はそれぞれ従来の改善活動とはケタ違いの効果を手中にし、喜びも去ることながら、それ以上に大きな驚きをもって受け入れられている。