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クリーン環境の構築

4-1 クリーンルームとは

ホコリの付着を防止する手段は、クリーンルームやクリーンベンチなどのクリーン環境設備を設けて、ホコリの存在しない環境を作ることが重要です。クリーンルームは部屋全体を清浄空間にする場合に導入し、クリーンベンチは局所的に清浄空間にしたい場合に用いられます。今回はそのクリーンルームが、どのような仕組みで清浄な環境を作っているのか詳しく見ていきましょう。
 

クリーンルームの仕組み

クリーンルームは「(ホコリを)持ち込ませない」「発生させない」「堆積させない」「排除する」の4大原則を守る必要があります。そのため、クリーンルームに入室する前に防塵衣で全身を覆い、エアシャワーでホコリを払うなど、室内にホコリが持ち込まれないよう厳重に対策をしています。クリーンルームの清浄度はどのようにして保たれているのでしょうか。
 クリーンルームの構造は図のように、外気を取り込み風力機器で発生した空気を、HEPAフィルターを介して清浄な空気とし、天井から部屋全面へ行き渡らせます。そして放出された空気は回収され、再びHEPAフィルターを介して清浄な空気が循環する仕組みです。
 

 さらに、クリーンルームを清浄な空気で満たすだけでなく、外部からのホコリが入りにくいように工夫が施されています。クリーンルーム内に供給される清浄な空気の量は回収される空気の量よりも多いため、内部が陽圧になります。内圧はダンパーで空気の一部を逃がすので一定に調整されます。また、グレードの高いクリーンルームではグレーチング床となっており、床全体から空気を回収することができます。このようにして外部からのホコリの侵入を防ぐとされています。
 


 


 コラム  

クリーンルームはいつでも狙った通りに清浄?

電子機器や半導体、医療、食品分野などいろいろな分野の研究所や工場で要求される高い清浄度の部屋がクリーンルームです。エアシャワーなどで人体に付着したホコリを払い内部に持ち込まないようにしたり、内部の気圧を上げて外部からホコリなどが侵入しないようにして、高い清浄度を保つように管理しています。
 しかし実際には、なお異物による問題は発生しています。何故でしょうか?1つは作業者や装置からの発塵があるためです。例えば、クリーンスーツに付着したホコリはエアシャワーで除去しますが、作業者が動作することによりクリーンスーツ内部のホコリが隙間から吹き出します。
 


 
 2つ目はクリーンルーム内に横風が吹くことです。一般的なクリーンルームは、グレーチング床を設置するのが困難な場合が多いため、実際には床ではなく壁の下部にある回収口から汚れた空気を回収する方式が一般的です。この時、クリーンルーム内に横風が発生し、風上になる場所と風下になる場所ができてしまいます。
 



 
風上にいる人から出たホコリが風下の空間を汚染してしまうため、正しい静電気対策をしていない場合には、ホコリが製品や設備に吸い寄せられて付着してしまいます。高額な導入コストと維持コストをかけているにもかかわらず、実態がこれでは割に合いません。
 これに対して、TRINCクリーンルームユニットは従来のクリーンルームと異なった手法で、この問題を根本的に解決することができます。


 
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この記事を書いたのは
私たちTRINCは、異物・静電気対策の専業メーカーです。異物×静電気問題から解放された理想的なものづくり環境を構築するための独自技術で、現場で日々問題解決に取り組む方々を全力で支援します。 企業概要ページはこちら
 
監修
経歴
高柳 順
名古屋大学大学院工学研究科量子工学専攻卒(工学博士)。専門は量子工学・応用物理学。名古屋産業科学研究所研究員やアイシン精機(現アイシン)を経て、株式会社TRINC(トリンク)現社長。
   

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