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クリーン環境の構築

4-4 清浄度とは



 

清浄度とは

清浄度とはクリーンルーム内でどれくらいの異物が存在するかを示す、空間のきれいさを表す度合いのことです。身の回りには肉眼でとらえきれないほどの小さな異物が浮遊しており、クリーンルームでは微小な異物がなるべく抑えられた清浄な空間を保つことが義務付けられています。製造や保管の段階で異物が付着してしまうと、製品が正常に働かないなどの異物不良に繋がってしまうからです。ですので、ものづくり現場では異物不良対策として、清浄度を厳正にチェックする必要があるのです。
 
 

“清浄”の基準

清浄度にも規格があります。業種によって求められる清浄度が異なります。特にエレクトロニクス分野では微細な部品を扱うため、より高い清浄度が要求されます。清浄度の規格として特定の体積にいくつ異物が存在し、どのくらいのサイズの異物が浮遊しているのかを数値化し、クラスで表します。数値が低ければ低いほどその空間は清浄であるとされています。日本では米国連邦規格であるFED規格と国際規格であるISO規格を併用しています。
 

FED規格 (Fed,std.209E)

1立方フィート中(1ft(フィート)=30.48cm)に含まれる粒径0.5㎛以上の異物を測定し、クラス1~100,000で分類します。古くからこの規格を広く使われてきました。
 

ISO規格 (ISO14644-1)

1立方メートル中に含まれる粒径0.1㎛以上の異物を測定し、クラス1~9で分類します。現在はこのISO規格が国際規格となり主流になっています。
 

FED規格 (Fed,std.209E) とISO規格 (ISO14644-1)との比較の表



 


 コラム 

清浄度は本当に正確?

清浄度が高ければ高いほど異物がない環境にあるので、作業中に異物が入り込む危険性は低く安心して作業できるでしょう。ところが、以下の二つの理由から、実は少しずつ清浄度が損なわれていることはご存じでしょうか。
 一つ目は作業員と搬入物の出入りで異物を持ち込む点です。作業員は防塵衣を着用しエアシャワーで全身の除塵を施し、搬入物はパスボックスを通じて付着した異物を取り除くことで、クリーンルームへの侵入を防ぐとされています。しかしこの方法で完全に防ぐのは困難です。なぜならば、エアシャワーでは内部の乱気流で乱舞するホコリがドアの開閉によってクリーンルーム内にも漏れ出し、清浄な空間を汚してしまいます。またパスボックスでは、エアカーテンによって起こした強い気流を巡回させて異物を取り除いていますが、ボックス内で異物を巻き上げ、取り出した時にクリーンルームへホコリが流出してしまいます。このようにしてクリーンルーム内の清浄度を下げてしまうのです。







 
 二つ目は、作業者と設備から異物が発生する点です。製造と異物発生は隣り合わせです。なぜなら資材を加工する際に出てくる削りカスや粉塵などはどうしても発生してしまうからです。加工過程で生じた細かな異物は空気中を漂い、ワークに付着するリスクがあります。発生してしまう異物をいかに抑え、回収するかが焦点となります。しかし実際は発生した異物を回収するのが難しいのが現状のようです。
 


 
以上のように、クリーンルームの増設・新設はイニシャルコスト、ランニングコストの負担が大きいだけでなく、導入後に狙った通りの清浄度を維持する事が難しいという実態があります。クリーンルーム導入に踏み切れない方、狙った清浄度が得られない方、清浄度を上げているはずなのに異物不良が減らない方は、是非TRINCにご相談ください。TRINC方式を採用することで、既存の作業環境をクリーンルームに匹敵する清浄空間に変えるだけでなく、独自の空間除電®技術、イオン制御技術により、清浄度で示される以上に異物が付着しない理想的なクリーン環境を実現することが可能です。
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この記事を書いたのは
私たちTRINCは、異物・静電気対策の専業メーカーです。異物×静電気問題から解放された理想的なものづくり環境を構築するための独自技術で、現場で日々問題解決に取り組む方々を全力で支援します。 企業概要ページはこちら
 
監修
経歴
高柳 順
名古屋大学大学院工学研究科量子工学専攻卒(工学博士)。専門は量子工学・応用物理学。名古屋産業科学研究所研究員やアイシン精機(現アイシン)を経て、株式会社TRINC(トリンク)現社長。
   

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