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クリーン環境の構築

4-3 クリーンベンチとは

清浄度の低い室内でも局所的に高い清浄度をつくり出し、その中で清浄な仕事をするための装置をクリーンベンチと呼んでいます。ビニールシートで囲まれた小さな部屋を作り、その天井にファンを乗せて、フィルターでろ過してきれいになった空気を吹きおろす方法が主流です。 
 

クリーンベンチの仕組み




 
外から空気を取り込み、フィルターを通って空気中に含まれる異物を取り除き、清浄な空気作ります。清浄な空気をたくさん送り込むことによって、クリーンベンチ内を陽圧(外の気圧よりもクリーンベンチ内の気圧が高い状態のこと)にし、外から異物が入りにくいようにします。そうすることで作業中に異物が流れ込んで製品への異物付着を減少させることができます。
 

多様なクリーンベンチ

奥から手前に向かって風が送られる水平型と、真上から風が送られる垂直型等のバリエーションが知られています。水平型のクリーンベンチは、垂直型よりも前面が開放的な見た目をしています。奥から手前に向かって清浄な空気を送ることでより速く異物の除去が可能とされています。
 一方、垂直型のクリーンベンチは、天井部にファンを導入しているため上部がずっしりした見た目が特徴です。真上から清浄な空気を送ることで、均一に異物から製品を守ることが可能とされています。最近では横から気流を送るクリーンベンチもあります。また、ビニールで覆った簡易的なものから、気流を調整できる高機能のものまで多種多様です。
 


 コラム 

クリーンベンチの中は本当にクリーン?


ところがこのクリーンベンチ、本当にいつでも狙った清浄度が得られるのでしょうか? 実は、一部のクリーンベンチでは、作業者の動作によるわずかな気流の乱れでも内部にホコリが侵入してしまうリスクがあるのです。実際にクリーンベンチの内部の清浄度を測定してみましょう。クリーンベンチの内部に浮遊パーティクル数測定器を設置して異物数を評価します。
 



 
測定機に表示されている左側の数字が、体積1cf(キュービックフィート)中に含まれる0.5µm以上のホコリの数を表しています。実際にはこの数字を100倍した値が求める清浄度であるため、写真で693と表示されている状態は清浄度が約70,000であることを示しています。
 
 


周囲の清浄度が70,000である環境でクリーンベンチを動作させると、一時的に清浄度が4,200まで向上しました。


 
 ところが、その状態でクリーンベンチの前を人が歩いて通過すると、みるみる数値が上昇し36,000まで清浄度が悪化してしまいました。これは、人が動いた際のわずかな気流の乱れにより、工場内にある無数のホコリがクリーンベンチ内に招き入れられたことを示しています。結果として、クリーンベンチ内にはないはずのホコリがあるのです。
  そこでTRINCはご提案します。無風除電のイオナイザー(イオナイザ - 除電器)を搭載したクリーンベンチですので、静電気による異物付着や静電破壊といった各種トラブルを未然に防ぐことが可能です。




 

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この記事を書いたのは
私たちTRINCは、異物・静電気対策の専業メーカーです。異物×静電気問題から解放された理想的なものづくり環境を構築するための独自技術で、現場で日々問題解決に取り組む方々を全力で支援します。 企業概要ページはこちら
 
監修
経歴
高柳 順
名古屋大学大学院工学研究科量子工学専攻卒(工学博士)。専門は量子工学・応用物理学。名古屋産業科学研究所研究員やアイシン精機(現アイシン)を経て、株式会社TRINC(トリンク)現社長。
   

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