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付着異物を除去する

5-2 金属の異物対策



 
 金属の異物対策に対する関心が高まっています。様々な分野で革新技術が生まれ発展する中で、従来では問題にならなかった異物が製品の性能や信頼性を確保するために無視できなくなってきたからです。以下に代表的な例を挙げます。

①    電気自動車の車載バッテリー
 電池は正極と負極の導体電極を持ち、その間にセパレータと呼ばれる絶縁体を配して短絡を防いでいます。電池の中に導電性の異物が入ると、電極間の短絡事故が起きて火災事故につながるため、異物の混入が起こらないよう細心の注意を払っています。

②    プリント基板
 プリント基板の高精細化も急速に進展しています。パターンの線幅は数十μm 、厚さは3 μm のものとなれば、異物対策の対象となる異物も微細化したため、付着した異物の除去は非常に難しくなっています。

③    包装材のアルミ箔化
 包装材のアルミ箔化が進んでいます。樹脂にアルミ材をコーティングして気体のバリヤ性能を向上しています。アルミ材をコーティングすると静電気の観点からは(樹脂が非導体なのに対して)物性的には導体に近くなり、金属箔として考えなければなりません。各分野の開発が急速に進む中、金属の異物対策は急がれる問題なのです。
 



 
 以上のように、各分野の技術が急速に進む中で、より高い水準での金属異物対策が要求されるようになりました。この背景を踏まえて、金属と異物の関係性を改めて考えてみましょう。世の中には電気を通しやすい物質(導体)と電気を通しにくい物質(半導体や不導体)があり、導体の代表が金属です。このため、世間では異物は金属や導体には付着しないと考えられています。その証拠に、工場では、絶縁体のプラスチックにカーボンなどの導電材を混ぜて導体に変えています。

 何とかして異物付着を防止しようとされているのですね。おそらく、金属には静電気が無いから、異物を引きつけないと思われているのでしょう。しかし、本当にそうでしょうか。


 
実験で確認してみましょう。
 

 
 実際の製造工程で、金属製品の表面に静電位計をかざしても数値はゼロを示すはずです。にもかかわらず、異物は容赦なく付着します。

 金属製品の静電気対策として、現場ではよく除電器でイオンを吹き付けています。しかし、金属表面の静電気はゼロボルトですから、除電器で除電しても全く意味がありません。それどころか、ファンブローやエアブローによって静電気を帯びたホコリを製品に吹き付けてしまいます。一旦、金属、特に金属箔や車体に付着した異物はある理由によりとても手ごわく、取り除くのは容易ではありません。
 しかしTRINC方式なら金属への異物付着から未然に防ぐことができ、異物が付着しても徹底的に除去が可能です。詳しくは下の「異物付着を防止する」「付着異物を除去」をご覧ください。




 
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この記事を書いたのは
私たちTRINCは、異物・静電気対策の専業メーカーです。異物×静電気問題から解放された理想的なものづくり環境を構築するための独自技術で、現場で日々問題解決に取り組む方々を全力で支援します。 企業概要ページはこちら
 
監修
経歴
高柳 順
名古屋大学大学院工学研究科量子工学専攻卒(工学博士)。専門は量子工学・応用物理学。名古屋産業科学研究所研究員やアイシン精機(現アイシン)を経て、株式会社TRINC(トリンク)現社長。
   

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