静電気とは
1-4 静電気を体験しよう
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電気くらげ
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静電気を用いたいろいろな遊び(実験)があります。よくしられるのが「電気くらげ」です。細いプラスチック繊維を束ね、この繊維をこすって静電気を帯電させます。繊維同士は同極性に帯電しているので反発し合い、ほぼ球場に丸く広がり(膨らみ)ます。
球全体が同極性の静電気を帯びているので、たとえば、下から同極性の静電気を帯びているので、たとえば、下から同極性の静電気を帯びたプラスチック製の棒や板、風船などを近づけると上に反発して空間に浮遊します。静電気でフワフワと漂うため電気くらげとよばれています。
作り方
用意するもの・荷造り用のひも(ポリプロピレンのタフロープ)
・細い風船
くらげは軽いものほど浮きやすいので、ひもはできるだけ薄いものを選びます。タフロープは通常2枚重ねになっています。そのまま裂いても浮くことはありますが、1枚にはがして薄くする方が浮きやすくなります。うまくはがれないときは、タフロープの表裏にそれぞれセロハンテープを貼り付けてからはがす、などの方法もあります。
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ひもを適切な長さ(20~25cm)に切り、中央をしっかりと結びます。そして、結び目の両側のひもを細かく縦にさきます。20本以上になるまで裂くことが目安となります。
やってみよう
くらげを乾燥したティッシュペーパーなどでこすってマイナス帯電させます。その際、ポリプロピレンよりもプラスになりやすい、アクリルの下敷きなどの上に置いて、こするとさらに効き目があります。細長い風船をふくらまし、こちらもティッシュでこすって帯電させます。それができたら、くらげの結び目を持って、空中に一気に放りあげます。くらげが落ちてしまう前に、風船を受け止めて浮かします。
このとき、風船をうまく操作すると、くらげを浮かし続けることができます。風船は1本ではなく、2本つかって「二刀流」にしたり、和の形にした細長い風船の真ん中に漂わせると安定して浮かびます。いろいろ工夫すると、5分以上でも楽に漂わせることができます。同極性の静電気は反発するので空中のひもに風船を近づけると逃げるように動くのです。これが、静電気の斥力を利用した電気くらげの実験です。
空間に浮遊している電気くらげは、帯電がなくならない限りなかなか落下しません。ただし、電気くらげの実験が行えるのは、空気が乾燥した季節に限られます。湿度が65%を超すと、何度試してもくらげを浮遊させることは困難になります。
では、浮遊している電気くらげを落とす方法はあるのでしょうか。
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静電気を落とすには電気くらげに帯電している静電気を中和すればよいのです。静電気を中和するには空気イオンを使います。
具体的には、空間イオナイザー(空間除電器)を用いて無風でイオンを空間に放射すれば、瞬く間に落下します。その際、有風除電(ファンやエアを用いた除電)では電気くらげが風でとばされてしまうため、無風で除電するのがポイントです。
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人間電線
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もう一つ、静電気の遊びで面白いのが人間電線(別名、百人おどし)という実験です。多人数の人が絶縁性のいい絶縁体のうえに乗って手をつなぎ、一方の端の人がアース線を握ります。他方の端の人が高電圧の電極に触れると、手をつないでいるすべての人の体を電流が流れて放電するので、一瞬にして全員が感電しびっくりする、という実験です。人間電線は、「ライデンびん」という電気を蓄える器具がルーツです。ガラスびんを金属箔で覆った器具で、電気の実験によく利用されます。オランダのライデン大学で発明されたことから、「ライデンびん」の名前がつきました。人間電線の実健では「ライデンびん」の代わりにプラスチックのコップを使うので、「ライデンコップ」と呼ばれます。
作り方
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用意するもの
・プラスチックのコップ2個 (プラスチックコップの外側にアルミホイルを巻き、セロハンテープでとめたもの)
・アルミホイル
・セロハンテープ
・アクリル定規
まず、アルミホイルを巻いたコップを重ね、その間にアルミホイルでつくった帯をはさみ込みます。
次に、コップのそばで、ティッシュペーパーを使ってアクリル定規をこすり、帯にふれる動作を何十回も繰り返し、コップに静電気を帯電させれば準備は完了です。
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やってみよう
一人がライデンコップを片手にもち、もう一方の手で隣の人と手をつなぎます。あとの人たちは、ぐるりと輪を描くようにして次々と手をつなぎます。そして全員が手をつないだことを確認したら、最後の人にアルミホイルの帯をつまんでもらいます。すると体に「ビリッ」と静電気が走り、部屋中がパニックになること間違いなしです。コップにたまった静電気は1万V以上の電圧になりますが、電気が体を流れる電流は1万分の1アンペア程度なので心配はありません。大電流が流れないように10M程度の大きな制限抵抗を経由して高電圧に触れるようにするのが安全です。ただし、ペースメーカーを使用されている方など、心臓疾患を持つ方は、最悪命にかかわる可能性がありますので、人間電線への参加はお控えください。
イオンで下敷きの静電気を中和
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静電気による遊びは、ほかにもいろいろあります。ビニル袋に小さくきった紙を入れて、静電気を起こした風船を近づけると、紙切れが引きよされたり、飛び上がったり、面白い動きをします。
また、衣服でこすって帯電させた下敷きを人の頭に近づけると、髪の毛が逆立つことはよく知られていますが、人を帯電させるだけでも静電気は靴を経由して床に漏電しますが、人を地面と絶縁するために、厚い発泡スチレンなどの絶縁性の高いものを上に乗せて人体を帯電させると、髪の毛は逆立ちます。人形に髪の毛を取り付けて、上部に下敷きが配置されている実験器具もあります。下敷きをこすると静電気が発生して人形の髪の毛が逆立つものです。
ですが、この下敷きに無風イオナイザー(無風除電器)でイオンをかけると、人形の逆立った髪の毛が倒れます。下敷きの静電気が無風イオナイザー(除電器)によって中和されるためです。
握手するとパチッ
二人の人が握手をする瞬間に静電気が放電して感電することがあります。たとえば、(1)片方の人だけが帯電している場合
(2)両者間に同極性でも電位差がある場合
(3)片方がプラス帯電で、もう片方がマイナス帯電の場合
などです。
感電するかどうかは相手次第なので、対策としては手袋を着用することです。相手に迷惑をかけないようにするためには、化学繊維の下着を着ていないなど、帯電しない工夫をするか、事前に周囲の金属部に触れて放電しておくことです。もっと積極的な環境改善策として空間イオナイザー(空間除電器)を導入して、常時、空間中の静電気を中和するという方法もあります。こうすれば、すべての人が帯電していないので、握手による感電は起きません。
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ガソリンスタンドでの感電
最近はセルフスタンドによる静電気による火災事故が増えています。静電気が帯電した人がガソリンタンクのキャップを開けるとき、手先が金属部に近づくと放電が発生します。ちょうどそのときガソリンの気化したガスが噴出してくると、ガスに着火して爆発します。自販機にコインを入れたとき
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ドアノブに触れたとき
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人体が帯電していると、ドアに触れる瞬間に放電します。対策としてはドアノブに触る前に壁に手のひらで触り、体の静電気を逃がします。もっと積極的な環境改善策として空間イオナイザー(空間除電器)で周囲にイオンを放射しておけば、人体の静電気は空気中に漏電するのでこの問題も解決します。
車から乗るとき、降りるとき
静電気を帯電した人が車に近づき、ドアに触れる瞬間に放電して感電します。対策は最初に敏感な手指で触れずに、鈍感な手のひらで触ること。日頃から合成繊維の衣服を避けて静電気の発生を抑えることです。導電靴を履いて静電気を床や地面に逃がして、人体に帯電しないように心がけてみましょう。車から降りるときも、金属部に触れると人体に帯電した静電気が放電して感電します。対策として、合成繊維の衣服を着ないこと、車を購入する際にシートの素材を天然素材のものを選ぶようにすることなどが好ましい方法です。この場合も、究極的には自動車用の空間イオナイザー(空間除電器)を導入することです。室内が常時除電されているので、人体の帯電もなく感電もなくなります。
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監修 経歴 |
高柳 順 名古屋大学大学院工学研究科量子工学専攻卒(工学博士)。専門は量子工学・応用物理学。名古屋産業科学研究所研究員やアイシン精機(現アイシン)を経て、株式会社TRINC(トリンク)現社長。 |
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